カサ・バトリョー

思っていたより自然で心地よく感じた。街並み全体は装飾の多い建築が並ぶが、その中でも異彩を放つ。
表現主義やアールヌーボーの建築でよく考えることなのだが、自然の形状を再現した造形を気持ちよく感じる本能を私たちは持っている。それが建築家哲学への共感なのか、自然への帰属意識からなのか。
後者であったならば、人の感性は工業化された直線よりも、土着建築の持つような不揃いの曲線を望んでいるということだ。であるならば、私たちは規格の基準を少し柔軟にして、もっと自然界の造形を日常に取り入れた建築を目指すべきではないかと思う。

小菅孝一級建築士事務所

スペイン・ガウディー


サグラダファミリア
ゴシック建築末期、100年も昔の構想にして、既に未来を行っているようにも思う。鐘は共鳴を考慮したパイプ状の鐘になり、上部のスリットはすべて鐘楼のようなものだ。完成したらどんな音になるのだろう。
 『引っ張りの反対は圧縮なのだ』
鉄筋を使わない石造建築では、圧縮力を基本とする。ガウディーは平面図を作った後に逆さにして、そこから糸を垂らし想定される荷重をおもりにして建物の形を探った。糸は引っ張りの力にしか耐えられないのだが、それをひっくり返すと圧縮力になるというアイデア。そこに紙を貼ったり、スケッチにしたりして、石膏模型を作り、その石膏模型を刻んでばらして原寸大で石工に掘らせるという手法で作られている。その時点で決定されているのは建物のプロポーションと彫刻のテーマのみで、彫刻のディテールは石工に任される。


コロニア・グエル

1898年、実業家エウセビ・グエルの依頼で始まった繊維工業住宅地区の教会。ガウディーはここではじめ
て逆さづりの模型による設計を試みた。最先端の設計手法を用いながらも素朴で自由な造形はガウディ―の最
高傑作として位置づけられている。当初は2階建ての計画だったが途中で資金を打ち切られ、1階のみが完成
された。







カサ・ミラ

カサバトリョの改修工事に圧倒されたペラ・ミラは自邸の設計をガウディーに依頼した。2階を家主の住居に
使い他は賃貸住宅である。ガウディ―にとっては最後の民間建築となるが、思い切り自由な設計を試みた。予
算オーバーや、敷地を超えた建築で問題になったが、裁判で最終的にはガウディーの主張が認められ
た。・・・・越境建築OKですか???芸術性が法を制してしまうのがすごい。